東立出版社は2026年台北国際コミック・アニメフェスティバル(TiCA2026)の初日、『負けヒロインが多すぎる!』の著者・雨森たきび先生とイラストレーター・いみぎむる先生を招き、台湾初となるサイン会を開催した。サイン会では、二人が創作に関する秘話や台湾訪問の印象を語り合った。

この初の台湾サイン会に合わせ、東立ブース内には特別にグッズや購入特典を展示するショーケースが設置された。また、書棚には『負けヒロインが多すぎる!』の繁体字版小説とコミックスが全巻取り揃えられ、来場者が一挙に入手できるようになっていたほか、会場限定グッズも多数販売された。










午後のサイン会開始前、ステージ上では雨森たきび先生といみぎむる先生が登壇し、創作のインスピレーションや理念、そして台湾を訪れた感想を語るトークショーが行われた。

雨森先生は若い頃からライトノベルが好きで、いつか書きたいという夢を持っていたといい、「頭が柔らかく思考できるうちに」と思い執筆を決意したという。デビュー作『負けヒロインが多すぎる!』の構想のきっかけは、アニメ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』を観て、ヒロインの一人である「イチゴ」の敗北感に強い感銘を受けたことで、そこから「負けヒロイン」を題材にしようと決めたとのことだ。

また、本作にはヒロインの一人「月之木古都」が太宰治ら文豪を題材にしたBL小説を創作する描写がある。これにちなんで会場から「小説家になるには、文豪の名著を大量に読む必要があるか?」という質問が投げかけられた。雨森先生は、「名著」には作者の豊かな人生経験が含まれているとしつつも、「何かのために無理に読むのではなく、『読みたい時に読む』ことこそが名著を理解するベストなタイミングであり、そこから創作のインスピレーションも得られる」と回答した。

一方、継続的にイラストの依頼を受けており、以前からライトノベルの挿絵に挑戦したいと考えていたといういみぎむる先生。依頼を受けた際の心境について聞かれると、即座に「ぜひ引き受けたい」と感じたそうだ。キャラクター制作には多くの工夫を凝らし、どのキャラクターも全身全霊を注いだ成果だと語った。

中でも主人公の「温水和彦」は、実は多くのバージョンを経て修正が重ねられ、現在の姿になったという。もし温水和彦のデザインの変遷に興味がある読者は、将来発売される画集の内容に注目してほしいとのことだ。

さらに、いみぎむる先生はヒロインたちの制服にある4つのリボンと異なる配色の組み合わせについて、一目で識別できるような明確な記憶に残るポイントを作るためのデザインだったと明かした。

今回のサイン会のために初めて台湾を訪れた両先生。雨森先生は笑顔で「ずっと台湾の夜市に行くのを楽しみにしていた」と語ったが、台湾到着後に食事をしすぎてお腹がいっぱいになってしまい、いざ夜市に着いた時にはあまり食べられなかったというエピソードを披露し、会場を和ませた。

いみぎむる先生はユーモアたっぷりに、「今日は『負けヒロインが多すぎる!』のイベントであり、これを言うのは少し場違いかもしれませんが、実は『リコリス・リコイル』の展示を見に行きたいんですよね」とコメントした。 ※編注:いみぎむる先生は『リコリス・リコイル』のキャラクターデザインを担当している。
ステージ左側には、今回の雨森先生・いみぎむる先生のサイン会セットの内容物や、コミック・アニメフェスティバル会場限定版とアニメイト版で異なるデザインのサイン色紙、そして今回のイベント関連グッズなどが展示された。






また、ステージのバックパネルにも貴重な直筆サインが残された。サイン会は熱気に包まれた雰囲気の中、円満に幕を閉じた。








